日進月歩の医療界において幾度もアメリカに足を運び、最新の治療法を学ぶ院長。“天然の歯を守る”という大きな使命のもと、予防歯科を浸透させるべくその歩みは止まらない。即日修復が可能だという『セレック治療』を取り入れた事で、歯科治療に新たな風を吹き込んでいる。
現在もアメリカで学ばれているそうですが、実際にアメリカの歯科治療の方が進んでいるのですか?
手先の器用さという点では日本が上かもしれませんが、アメリカは「データを基に治療を考える」という面で日本よりも進んでいると言えます。例えば新たな事にチャレンジする際、必ず学会で論文を発表するのが基本です。ある治療による結果を蓄積したデータや臨床結果によって、その治療法の善し悪しを見極めるんです。データに明確な裏付けがあるからこそ、良い結果に繋がるというわけです。
多くの症例を積み重ねたデータによって、結果を導きだすというわけですね。
実はアメリカの医師免許には、運転免許に更新があるように更新があります。今私もその更新制度にあたる卒業研修を南カリフォルニア大学をはじめ3つの大学で受けているところです。日本には更新制度はありませんが、“自己更新制度”を設けて日々勉強です。
アメリカの制度には常に新しいものを取り入れるために、おのずと勉強しないといけない環境が組み込まれているのですね。“自己更新制度”によって、先生も新たな治療を積極的に取り入れているのですか?
はい。その1つにドイツ生まれの『セレック治療』があります。CAD/CAMといわれるものですが、3Dプリンターをイメージするとわかりやすいかもしれません。完全コンピュータ制御によって、歯の詰め物や被せ物を機械で作り出すというものです。まずはパソコン上で設計を行い、そのデータをもとにセラミックのブロックを削って形を作り上げます。そのため歯形を取る必要もなく、1度の通院ですべての治療を終える事ができるのも大きな特徴です。
IT時代でどんどん技術が進んでいますが、歯の治療がこんなに進んでいるとは知りませんでした。つまり口の中の形状をすべてスキャンできてしまうのですか?
もちろん可能です。歯の被せであれば1時間から1時間半で精密なものが完成します。メディアで取り上げられた事で知名度も上がり、当院ではインプラントや矯正などの治療よりも、今では『セレック治療』を受けられる方が多いくらいです。
確かに忙しい現代人には嬉しい治療法です。
歯のエナメル質に近い材質という事からも、セラミック歯はお勧めです。似た材質を使う事で口内環境を良好に保てる上に歯垢が付きづらいという特徴もあるので、再び虫歯になるリスクを軽減できます。
また当院では“天然の歯を残したい”という考えで治療を行っているため、できる限り歯を抜かず、保たせる事を重視していますので『セレック治療』は当院の治療方針には合っているようです。とはいえ、天然の歯には何ものも敵いません。まずは虫歯にならない事が最も大切でしょう。“天然の歯を守る”ためにも、今後も予防歯科に力を尽くしたいと考えています。