地縁や血縁関係が希薄になりつつある現代社会では、葬儀の形も変化してきた。奈良県吉野郡初の葬祭場として、地域密着型のアットホームな葬儀を手がける『セレモニーホールKubo』。遺族や故人の遺志を反映した、心のこもった葬儀が地元の人達に支持されている。
私の母親の出身地では今も自宅で法要を行うのですが、結構大変なんです。大勢の方を身内や同じ班の方々で接待し、とても気を遣います。
地方都市ではまだそうした習慣が残っていますよね。この周辺でも以前は葬儀や法要は自宅や公民館で行い、地域の方々がそのお手伝いで数日間拘束されました。当地は林業が盛んでしたが徐々に勤めに出る人も増え、若い方はそうした習慣を負担に感じるようになってきたのです。
葬祭業は起業するのが難しい職種のように思うのですが。
当社はもともと父の代からの生花店で、長年法事や葬儀のお手伝いをさせていただいてきました。その経験とノウハウがあり、当地の儀礼や伝統も熟知していたのです。
なるほど。地元の皆さんの評判はいかがですか。
お蔭様で多くの方にご利用いただいています。従来の葬儀は地域の方々が大勢ご焼香に来られ、お手伝いの方も入られますとご遺族が休む暇もありませんでした。当社にご依頼いただくことで、細々とした仕事はスタッフに任せ、親族の方々はゆっくりと故人を偲んだり、参列者を接待できたと喜んでいただいています。やはり「良い葬儀だった」というお言葉が何より励みになりますし、やりがいを感じますね。
こちらのセレモニーの特徴はどのようなところですか。
スライドショーなどは大変ご好評をいただいています。貴重なお写真が残されていることも多く、参列者の皆様だけでなくスタッフまで歴史を感じています。“心のこもった葬送儀礼を皆様と一緒に考える”というのが当社の方針ですので、ご遺族や生前故人が望んでおられたご要望にできる限り沿いたいと考えています。
施設案内を拝見しましたが、控え室にシャワールームまで完備されているのに驚きました。
駅が目の前という利便性もあり、遠方から駆けつけて直接こちらに来られるご親族もいらっしゃいます。ですから、なるべくリラックスしていただいて悔いのないお別れをお手伝いしたいと考えています。これからもいろいろ勉強し、創意工夫のあふれるセレモニーホールにしていきたいと思います。